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農は「出会い」を増やします

「まちの保育園」という東京の保育園をご存知だろうか?たしか、この「アグレコ」の発行人も確か昔Facebookで紹介していたような・・・、ちがったっけ?
この保育園の大きな特徴は保育園とまち(地域)をつなぐ中間領域に「ベーカリーカフェ」があり、各々をつなげる人材としてコミュニティーコーディネーターという職を置いているということらしい。

教育とか保育とかの本質はコミュニケーション
これは、この保育園の仕掛け人である松本理寿輝(りずき)さんという方の言葉だそうだ。実は私の場合、ラジオネタが多いのだが、今回もラジオネタ。作業をしながらNHKの「すっぴん!」というラジオ番組を聞いていて、やっていたのがこの「まちの保育園」探訪記だったのだ。ワタシが実際に見たわけではない。
ただ今30代前半の松本さんは学生時代に上のように考え、保育園園児の安全性を考えつつ地域とコミュニケーションを図っていくためには、それ自身が魅力的な「中間領域」を併設したらよいのでは?というアイディアを持っていたらしい。そして、それを実現するステップとして、自らのコミュニケーションや経営のスキルを高めることを目的に、広告代理店に就職したりベンチャー企業を立ち上げる。そうした過程を経て、保育園を現在3つ経営しているらしい、いやすごい。
話を聞いて感心したのは、今の保育環境の問題点を「こどもが出会う人はほとんど若い女性しかいない」とみて、もっと多様性を高める工夫がいると考えたことだ。保育士のほとんどが若い女性であり、核家族における育児の担い手はその9割がたは母親であり、父親の育児参加時間は一日30分程度とのこと。発達段階のこどもには地域のもっと多様な人との出会いが必要なのではないか?というのが松本さんの問題意識だったのだ。そこから、地域の中に開かれた保育園が構想され、地域との接点をつくる機能を、保育園とくっついているような、いないような良質のベーカリーカフェと、子どもと地域社会をつなぐ専門職員に担わせるしくみをつくり、それは大人気を呼んでいるというお話だった。この事業の本質的なシゴトは単に保育に留まらず、子どもを核に地域づくりをしていくということともいえるだろう。

たべものの本質もコミニュケーション
この話を聞いていて、「こども」も「たべもの」も似ているなぁ、とワタシは思わざるを得なかった。
たべものにも、多様な生きものの関わりが欠かせない。そしてたべものを大切にすることが地域を豊かにしていくと思うのだ。
たべものは、タベモノである前にイキモノである。あれ、前々回だったかも同じようなこと書いたかな^^; たべものは、ヒトとヒトをつなぎ、ヒトとイキモノをつなぐ。たべものの先にはヒトがいるし、イキモノがいる。
ここで、もしヒトと自然はキホン別物である、という考えに立てば、たとえば、「どっちに合わせるか」という話になりがちなのではないだろうか。ヒトは自然と孤独に独立し、その責任をどう果たすか、かなりの難問がでてきちゃうのではないだろうか。(下図(1))
しかし、ヒトはイキモノの一種であり、キホン同等だと思えれば、これらの関係性を取り巻いているのは、ヒトの対立概念としての「自然」ではなく「天と地」である。(下図(2))
ワタシ達は、たべものを通して、ヒトと出会うこともでき、イキモノと出会うこともできる。ヒトを通してまったく知らなかった別のタベモノ・イキモノと出会うこともできるし、タベモノ・イキモノを通してまったく知らなかったヒトと出会うこともできる。これらはすべて「天と地と出会う」ということだ。

単にヒトとヒトが出会い影響しあうだけでは、そのヒトたちの多様性の範囲は限定的だ。いずれにせよお互いの世界に留まっている。しかし、天と地の多様性はヒトの多様性の源泉でもある。天と地との各々の関わり方でヒトの個性が際立ってくる、とワタシは考えている。
出会い20150129


天と地と、もっと出会いたい
少し前に、ソーラー発電普及の大切さを説いている方に、「パネルの廃棄に伴う問題点はあるか?」と質問したところ、「基本的にたいしたことはないと思うが、人間が文明の利益を享受する以上、自然にある程度インパクトがあるのは当然だ」という意味の答えが返ってきた。
ワタシに言わせれば、文明の利益を享受しようがしまいが、イキモノである以上、他のイキモノと同様に天と地にインパクトを当然与える。モンダイはどういうインパクトがどの程度あるのか、を考えなくちゃいけないのが今日この頃のワタシタチなのだ、ということなのである。
で、ある種のそれが、天と地の中でまるく収まるインパクトなのか、収まらないインパクトなのかを客観的に判断する基準、これはワタシはないと思っている。インパクトは少なければ少ないほどいい、という考えの方もたくさんいらっしゃることは知っている。しかし、私見をあえて言わせてもらえば、小さければいいというものではない。なぜならば、イキモノはイキモノを支えている。ヒトが生活することによって支えている生き物もたくさんいるのである。
ひとつひとつの具体をどう考えるのか、どうするのか。
それを決めるのは、社会であり、その社会を構成するおのおのがどう考え、どう合意していくのか、というのがモンダイなのである。
だから、ワタシ達は天と地との出会いをもっとふやさなきゃならない、と思っているのだ。「農」はそんな出会いにぴったりだと思うんです。どうでしょう?(以上 フリーペーパー「AGRECO」Vol.81,2015.02に掲載)
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Author:rainfrog23
就農15年目、群馬県高崎市の野菜農家のおやじ。30代までは都心に勤めるサラリーマンだった。生き物がたくさんいる環境での仕事を望み百姓志願。農園の名前、みずき彩菜(さいさい)です。

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