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野菜の放射能汚染を考える

放射性降下物、現状ではかなり下がってきている。文科省のデータを都道府県別にグラフ化したサイトで見るとわかりやすい。とりあえず、よかったぁ~!
http://atmc.jp/ame/


今後の雨の時の数値に着目だが「なんとかこの状態が続くとすれば」1960-70年代の核実験時代と比べて格別ひどくなることはないかもしれない。
同じサイトの水のデータを見ると増加傾向が多いが、降下物の減少に遅れてこちらも下がってくるのでは?と思いたいところ。

さて、野菜の放射能汚染が心配されている。A)汚染で考えらえるのは放射性降下物が直接付着する場合と、B)農地経由で放射性物質を取り込む場合がある。
事故初期で降下物が多いときは当然A)が多いだろう。「なんとか原発の制御にいくらかは成功」して降下物がそれなりにオサマッたとしても、土壌や水には既におちてきたそれらが存在しているわけでB)が大きくなってくるだろう。

想像するに、今現在の農産物の汚染は落ちてきたものが直接表面に付着したものがほとんどなんじゃないだろうか。これは洗えば洗うだけ減ってくれるはずだ。
しかし、これからは、それを作物が吸収して作物体内に取り込む量が増えると考えらえるわけで、これは洗っても落ちないだろう、やっぱり。
だからなによりこのB)への影響が心配で放射性降下物の総量は気にせざるを得ない。

旧科学技術庁が日本原子力産業会議に委託した「大型原子炉の事故の理論的可能
性及び公衆損害額に関する試算」(1960)というのがある。
和文タイプの文章を、ある方が(おそらくボランティアであろう)HTML化して公開されているのが目に留まった。
http://homepage3.nifty.com/h-harada/nonuke/lib/sisan/index.html

関連Webもついでにご紹介
http://trust.watsystems.net/jikosisan.html
http://homepage3.nifty.com/h-harada/nonuke/column/GENSAN60.html


これは燃料交換後4年運転した熱出力約50万KWの原子力発電所で大事故があった場合を想定したもの。

この中に「附録 (E)放出放射能の農漁業への影響」
という項がある。そこでは上記A)とB)を分けて考察している。
B)に対応する「II 農地汚染による作物の汚染度の推定」を見てみる。

これによると半減期の長短や作物・人間の吸収特性からストロンチウム(Sr89、Sr90)と、セシウム(Cs137)が問題になるらしい。今問題になっているヨウ素131は半減期8日と寿命が短いので作物の吸収による人間への影響はないということで除外されている。

一方Srはカルシウムとよく似ていて、Csはカリとよく似ているようだ。
カルシウムもカリも、人間にとっても作物にとっても大切な元素であり、ばんばん吸収する。それに伴ってSrとCsも吸収するわけだろう。人間でいえばSrは骨、Csは筋肉等によくとりこまれるとのこと。

試算結果を見てみる。
ここで表示されているのは単位は「C」だがおそらくキュリー「Ci」かな。そうだとすれば1[μCi](マイクロキュリー)=0.037[MBq](メガベクレル)

想定は「1C/m2の放射性降下物」があった場合。ここで表記されている「1C」が1Ci(キュリー)とすれば37,000MBq/㎡というすげぇ数字だ。ひょっとして1μCiの間違いかとも思ったが、そうすると計算結果の数字がどうも変だ。1C=1μCiとしてその放射能がすべて(数ある放射性核種の中の)セシウムだけによると仮定しても、示されている計算式にしたがって計算してみた数字が、結果として表記されている数値よりも3ケタも少ない。

37,000MBq/㎡とすればkm2に換算するには37,000を百万倍しなけりゃならん。
Csはチェルノブイリの時に日本で観測されたのは月あたり300MBq/km2くらいだったが、東京では一時的に21-22日の雨の日に5300MBq/日を記録している。この数字は「核実験時代の3倍」とも報道された。
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/other/detail/__icsFiles/afieldfile/2011/03/23/1303977_21_22.pdf
37,000MBq×百万倍/km2ということは5,000MBq/dayの日が約7百万日続く必要があるので、2万年だね(^_^;)
しかし大事故というのはそれくらいのレベルなのかもしれない。このへんはもうちょっとこの報告書を頭からきちんと読まなきゃダメなんだろうね。

さて、、気をとりなおして、この報告書の想定した原発大事故での作物汚染の予測数値をご紹介しよう。

米麦を含めたなかで一番影響が多い野菜について書き出す。

全放出(原子炉のなかみ、気体・液体・固体がほとんど出た?)の条件
Sr89 140μCi/kg=5.18MBq/kg=5,180,000Bq
Sr90 18μCi/kg=0.66MBq/kg=660,000Bq
Cs137 0.15μCi/kg=0.006MBq/kg=6,000Bq

揮発性放出(原子炉のなかみのうちきほん気体ばっかり出た?)の条件
Sr89 9μCi/kg=0.33MBq/kg=330,000Bq
Sr90 1.1μCi/kg=0.04MBq/kg=40,000Bq
Cs137 0.1μCi/kg=0.004MBq/kg=4,000Bq
である。

現在の穀類・野菜の暫定基準値はSrの影響も含めて放射性Csの値を指標としていて500Bq/kgとなっている。
この報告書の前提条件ではそれよりも一桁大きい、という結果になるようだ。
なお、報告書文章中のConcentrate Factorは濃縮係数で、生物濃縮の割合を示している。ここでは、野菜で 0.1 ~ 0.15 米麦粒で 0.02 ~ 0.03としていて、環境(ここでは土壌)の濃度に対してどこまで吸収するかという割合を想定している。つまり報告書が作られた1960年当時の常識の限りにおいては生物濃縮はおこらない、とされていることがわかる。今でもそうであることを願いたい。

問題は、今後どれだけの降下量があるのか?という点だ。それによりすべて変わってくる。まぁ、この報告書の1C/m2は1Ci/m2であれば、それ以前の前提条件如何にかかわらず、現状の放射性降下物ならば、影響は皆無とは言えないにせよ、嘆いたり心配するほどじゃないぞ、という考え方も可能だろう。

だが、実際のところ、報告書の前提条件や真偽はホントはどうでもよろしい。今後ホントに必要なことは、放射性降下物と実際の農産物の放射能レベルの継続的・長期的モニタリングなのだ、ということは間違いない。行政も私たちもマメなおシゴトをいくつか増やさにゃならん時代に突入したようだ。
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Author:rainfrog23
就農15年目、群馬県高崎市の野菜農家のおやじ。30代までは都心に勤めるサラリーマンだった。生き物がたくさんいる環境での仕事を望み百姓志願。農園の名前、みずき彩菜(さいさい)です。

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